彩のイメージ
  詩を書いたり曲を書いたりしてます。
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ミラクルことば 奇跡のボキャブラリ
雑貨屋で働くK君の、好きなところベスト5。
背が高い。
靴のセンスがいい。
笑うとき、はっはーと言う。
字が超ヘタ。
まーこの4つはおまけみたいなもので、私がこれだと思った決定的なポイントがある。
それは私が口にしたくてもできなかった(理解が得られない)
あるいは言葉にしたくてもできなかった(表現できる言葉が見当たらない)
その言葉を日常会話でポンポン使うところだ。
私は初めて聞いた時、目からウロコだった。
ありえないほど、アクロバティックな言葉の繋ぎ方。
静かで広い、余白。
夢心地なバランス。
彼は普通に使っている、何でだ、そんな使い方しても誰もわからんよ?
でも私には解るそれだった。
それ以上はないというくらい的確な表現。
それ以外の言葉では無理なほど近いところの表現。
あの時以来私は雑貨屋に通っては「もしもし?あー?融資?あ~本社一括なんで~」
と無愛想に電話応対する彼を、虹色のキャンドルや象のペーパークラフト越しに
じーっと見つめたりしていた。
スタンプカードを作るとき、私の個人情報書くんだからキミのも教えなさい。
と、無理矢理聞き出したメールアドレスから、今ではご飯を食べに行く仲にまでなった。
「感覚の具合がいい」と彼が言う冬、付き合ってくださいと告白したところ
「イヤです」と断られた。
あんなに凄い表現ができるのに、他に言い方ねーのかよ。
あの言葉の使い方ができるからこそ、他のところがぶっきらぼうになるのかな。
ご飯を食べてる時も、半分くらい人の話を聴いていない。
私が思うに、私の言葉が彼の中に入った瞬間、彼の中では私の言葉と彼の中にある
奇跡のボキャブラリが繋がり合ったり、混ざり合ったりしているんじゃないだろうか。
言葉のリミックス?
もしそうだとしたら、凄い。素敵!
体が触れ合うことを想像するよりも、もっとゾクゾクする。

「K君ってさ、字超ヘタだよね、古代文字みたい」
「古代文字書いてんだよ」
「はいはい」
「俺はね、あんたと二人のときは二人だなーと思う」
「ビール残してんじゃん、おいしくないの?」
「フルーツビールは重いね、腹ってゆーか、胸に溜まる」
「私はキミのこと想ってるよ、ずっと」
「ずっとじゃなくていいよ、たまにで」
「何で?」
「たまにで大丈夫だから、あとは意識しないところで触れ合おう。」
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眠るときのいつも
大きな手のひら
重たい手のひら
優しい 優しい 髪を触る
優しい 優しい 頬を触る

午後には紅茶を
まどろむ時間を
優しく 優しく 胸をふさぐ
優しく 優しく 歌を唄う

悲しむ夜なら
こぼれる星屑
おやすみ おやすみ 闇に落ちる
おやすみ おやすみ 闇に落ちる

過ぎゆくすべてに
置き去りにされたって構わない
イネス
美容室の名前は「イネス」。
ポルトガルの昔話に出てくるあのイネスとは無関係らしい。

この町に来て2ヶ月。
新しい町に来て、いいお店に出会えるというのは素晴らしいことだ。
いい景色、いい匂い、道端に咲いている小さな花(何の花かは知らない)。
古い木造家屋の門柱にどーんと置かれた見るからに怪しい猫の置物。
新しく買ったカメラでとりあえず一枚、パチリ。
猫の家の3軒隣り、やっと見つけた。
重たそうな木の扉、廃材だろう緑色のパイプ椅子にメニューの書かれたホワイトボード。
普通に歩いていると見落としてしまいそうだ。
俺が美容室を探していたからこそ発見できたんじゃないだろうか。
というより、この店が美容室を探している人にしか見つけられないように仕組んでいるのか?
新しい町に来て、今日思い立って、リフレッシュしたい俺が偶然(必然?)見つけた店。
想像通りの重さだった扉を開けると、店内はまるでこぢんまりとしたカフェのような雰囲気。
手前のテーブルには美少女が座っていて、コーヒーか紅茶か何かを飲んでいる。
美少女にニコリと微笑まれた俺は、魔法でもかけられたようにくらくらした。

「トワリ、奥で飲みなさい。いらっしゃい、少年」

奥からのそのそと出てきたおっさんが、少年って歳でもない俺に微笑みかける。
後で聞いたらおっさんはまだ36歳だった。
こーしてあーしてと髪型を話し合いながら俺はいろんな発見をした。
まず、店内のBGMでルイス・ヘイズがかかっていること。
なんとも心地良い。
とても趣味のいいおっさんだ。
そしてさっきの美少女が飲んでいた飲み物の香り。
紅茶だったとわかるほど甘い、温かい香りが柔らかく立ち込めている。
不思議と美容室の匂いがしないので、俺は驚いた。
客こねーのか?ここは。
後で聞いたら一日2~3人しか来ないそうだ。
しかもその100%がリピーターで俺のようないちげんさんは1年振りらしい。
もう限界だーとおっさんは言っていた。

BGMは Uma Copacabana / Levy 。
髪を切ってもらいながらした話。
「イネス」は陸上競技の選手の名前からとったらしい。
マラソンだったか、走り幅跳びだったか。
そしてみなさんの名前。
俺の名前はシュン、瞬間の瞬。
嫁さんが未来と書いてミキ、娘は永久の里と書いてトワリ。
みんな「時」に関わる名前なんだよ、かっこいいだろ。
俺はこの瞬間を、ミキはその先を、トワリはそのずっとずっと先を、ってな。
瞬間を感じ取るというのはなかなか難しい。
感じた形を言葉に置き換えないと記憶に残すことも難しい。
でも大抵人間の感じることは言葉にした時点で何か物足りないものになっちゃうよなー。
言葉じゃ事足りない感覚がたくさんあるんだよ、きっと。
BGM?これは娘の趣味だ。
俺はもっと渋い選曲をする。
大人だから。
しかしあれだね、駅前にもあるでしょ、美容室。
あの眼球破裂しそうなくらい眩しい照明の(笑)
あそこは待ち時間にインターネットができるんだよ。
店員が目の前にいるのにインターネットで予約するんだってさ(笑)
まー地味だよ、そこと比べりゃ。

そう言いながらおっさんはすっと後ろに下がって
さっきまでトワリちゃんが腰掛けていたイスにもたれかかった。
「おーい、コーヒー」
おっさんはタバコに火をつけて、ってあれ?俺放ったらかし?
奥さんのミキさんがマグカップを2つ持って来た。
片方をおっさんに、もう片方を俺に。
「自家製金柑茶、おいしいよ~?」
カップを俺に渡すとミキさんは床に散らばった髪を掃いてまた奥へ。
コーヒーちゃう・・・俺これ甘いからイヤ・・・とブツブツ言っていたおっさんが再びハサミを上げる。
会話も落ち着いた頃、まるでこっちを窺いながら選んでいるように、いちいち素敵なBGM。
あー。afternoon tea の選曲と似ている。
「この曲は?知らない曲だ・・・」
「『STAY WITH ME』って曲、日本人が歌ってるんだよ?」
いつの間にかまた後ろのテーブルに座っていたトワリちゃんが教えてくれた。
なんてか細い声なんだろう、驚いて、胸がザワザワした。
ザワザワをかき消したのは次の曲 Ocean Beach / Black Mighty Orchestra 。
「これは俺の選曲だ、渋いだろう」
おっさんの方は悪趣味だ。

体は、心ごと、ゆっくり、ゆったり、沈む。
目に、皮膚に、心臓に、丁度良い、薄暗い、店内の、照明。
匂い、温度、会話のペース。
髪に触るときの力の加減からイスの感触まで。
こんなに落ち着いているのに、こんなに研ぎ澄まされて
感覚のすべてが喜んでいる。
開け放たれた中心に、優しい風のように流れて沁み込む音楽。
今、俺は、時間の、何処だ。
不思議な感覚。
なんだか概念を超えて、人と、空間と繋がる瞬間。
そういえば、おっさんの名前は瞬くと書いたか。
美しい名前だ。

後日、商店街でミキさんと会った時に笑われた。
あの人はすぐに作り話をするのよ。
こないだもお客さんに船舶免許を取ったって嘘ついてたし。
どこの海がよかったとか、あそこの島には10年に一度しか咲かない花があるとか
どこで調べてくるんだろうね、あーゆーの。
ちなみに旦那の名前は正しく太くで正太だよ?(笑)

俺は店を出たあと、思わず振り返って写真を撮った。
この貴重な時間を思い出せるようにと。
くそー、次行ったときは文句言ってやる。
跳ぶ人、その先の足場。
うーむ・・・・・・・。
4mくらいか?
いや4mもないか?
その薄いペラペラの足場が、跳んで届くかしらというところでぼーっと浮かび上がっている。
俺の乗っている足場も大きさにして2m四方くらいだろう。
まさかと思い裏側を覗き込んでみると、俺の乗っているこれも1cmも無い薄いペラペラだったのだ。
真っ暗闇、俺の目に見えている足場以外はただの真っ暗闇だった。
足場を踏み外せばどこまで落ちるのかもわからない。
目を覚ましたはずなのに夢かどうかを確認しなきゃいけないようなこの不思議な空間で俺は腕組みをした。
上は、真っ暗。
下も、真っ暗。
視界に入るのは、目の前に浮かぶペラペラだけ。
その先は何も見えない。
振り返っても、真っ暗。
タバコを二本吸っても状況は変わらないので、覚悟しました、ジャンプの。
助走無しで届くかー?マジで。
まず、今いる足場でトントントンと跳ねてみる。
ペラペラのくせにしっかりしている。
飛んだ先のペラペラが紙みたいに柔らかかったら絶望するよ?
呼吸を整え、目を閉じ、肩の力を抜き、目を開く。
跳び立った瞬間、客観的な視点に切り替わり、湾曲する自分の体とそのスローモーションを見た。
つま先は届かず膝で着地、ペラペラの向こう側を手で掴む形で俺は次の足場へと移動した。
乗った瞬間に荒くなる呼吸。
やべー、心臓やべー。
こっちのペラペラ小さいし!さっきの半分くらいしかないし!同じにしといてよ!
振り返るとさっきのペラペラは消えてなくなっている。
あれ?と、キョロキョロ周りを見渡して俺は息を呑んだ。
「次の足場」だ。
向こう1m、そして今度は3m程下にあった。
これは難しいだろー、と思わず声に出して俺は、次の覚悟をしなければならない。

もう何度跳んだだろう。
ひとつ跳べば、乗っていた足場は消え、次の足場が現われる。
次へ飛び移れば、またその次が現われ、前のは消える。
覚悟は次第に跳ばなければならないという宿命に変わる。
宿命を受け入れれば、何のことはない。
未来にも、過去にも、何も見ない。
俺は今、跳ぶことだけだった。
筋肉は疲労し始め、容はいかに美しく、業はどんどんと磨かれていった。
30を跳んだ頃から俺はあることに気がついた。
「跳ぶ」ということについてのみ、ずっと考えていたのだった。
1を跳ぶ頃に考えていた、不安や絶望、希望、困惑。
それらは何だか遠くの方へ置き去りになっていて、リアルに思い出すことはできなくなっていた。
助走をつけず、いかに自分の体重を外へ逃がし、一番気持ちよく跳べるポイントで跳ぶか。
斜め何度から下の場合、ペラペラの先につま先を引っ掛けた方がいいとか
距離にして何メートル以上の場合、届くわずかのところで腕の遠心力を使うといいとか。
機能的に何の役にも立たず、ただの足枷でしかなかった靴を捨てたのはかなりの数を跳んだ後だった。
振り返ったときの不安な気持ちは、飛距離を縮めるというところまで、俺は知っていく。
不思議だ。
俺は今、何者だ。

疲れた、ほんとうに疲れた。
200を跳んだ頃、俺は一度諦めかけた。
時間がわからない。
腹が減る。
会話をせず。
そしてこの暗闇。
一度諦めかけたのは、あまりにも距離が遠かったからだ。
8mはあっただろう、アスリートでもなきゃ跳べない距離だ。
幸い平行線上ではなく、4~5mほど下にあった。
これを見たときはさすがに絶望的だった。
尻をついて闇を見上げる。
これ誰かに見られてんじゃないの?
俺のこの絶望する表情を野鳥でも見るようにウォッチングしてんじゃないの?
・・・・・・・ふー。
泣きそうだったけど、泣かなかった。
座り込んでも仕方がない。
立ち上がってシャツを脱ぎ捨てた。
やはり覚悟が俺を前へ前へ押し進める。
手足を解して「次」を見据えた。

足場は何だかもう変なことになっている。
絶望の8mを跳んだ次の足場は直径10mほどの六角形だった。
六角形に着地すると各角の先から手の届く距離に様々な形の足場が現われる。
台形、十二角形、∞(←こんな形)、長方形を90度に折り曲げたイスのような形。
え?選んで跳ぶの?どれでもいいの?どれかがハズレとかじゃないよね?
∞(←これ)に飛び移って俺はそのクッションのような感触に腰を抜かしそうになった。
そして飛び移っても現われたすべての足場が消えない。
次に現われたのはその倍の数の足場。
ななななな、なんだ?なにが起こりましたか?あわわ、あわわわわ。
落ち着け、落ち着け、あ、俺タバコ捨てたんだ、んーと、深呼吸、深呼吸。
体から心からなるべく無駄なものを削いできた俺だもの。
変化が大きすぎて対応できなくなっていた。
足場と足場を繋ぐ螺旋階段。
巨大足場と巨大足場を繋ぐ長い渡り廊下。
ずっとやりたかったこと、走ること。
闇の隙間を埋めるように、足場はどんどん広がっていく。
裸足が驚く、この感触は石か?ゴツゴツする。
まてまて、このふかふかは何だ、絨毯か?
これは~、つるつる、ぺたぺた。
大理石?!
おおおおお俺上半身裸だけど大丈夫デスカ?
俺は、思わず満面の笑みだった。
うわー、疲れも吹き飛ぶなぁ、つーかこの顔までウォッチングされてたら恥ずかしいよなぁ。
変化が、楽しい、美しい、怖い、大きい、そして、明るい。

俺は跳ばなくてよくなっていた。
今ではこの広大な足場を歩き続けて探検。
様々な形。
建物のような形。
柱の形、壁の形、扉の形。
その先の形。
次の形に繋がっていく。
形は今もどんどん広がっているだろうか。
なにを創り上げているだろうか。
気がつけば俺はもう、闇に落ちることができない。
跳ぶことしかしなかったあの時なら、闇を選ぶこともできた。
あれは自由だった?
・・・・・まぁ、どーでもいい。
叫ぶ力も残ってないし、やがて笑みも消えるだろう。
目を閉じれば、どうせ、闇だ。
作品
好き過ぎてどーしようもない気持ち
伝えないとなぁ 勿体ないよなぁ
思う大きさ 伝わる形

からみつくこの体に恋が
忘れたいけど 勿体ないよなぁ
想いは力 伝える力

冷めない熱が 胸の奥
こんなふうでなんだか悪い
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まとめ
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